KNOWLEDGE : SINGLE ORIGIN COFFEE
コーヒー知識:シングルオリジンコーヒー
シングルオリジンコーヒーは単一の産地で生産されたコーヒーのことです。 単一産地のコーヒーのみを扱うことで、そのコーヒーが持っている個性を味わう事ができます。
シングルオリジンコーヒーの定義
単一産地という定義は、それぞれのシングルオリジンコーヒーによって異なります。 「農園」などの小さな単位で1つのシングルオリジンコーヒーを形成している場合もあれば、多くの小規模生産者が持ち寄り、「地域」や「精製所」という大きな単位で1つのシングルオリジンコーヒーを形成している場合など、流通の仕方は様々です。 また、同じ農園でも「品種」や「精製方法」、「標高」などでロットを分けているものもあります。
シングルオリジンコーヒーの価値
コーヒーを単一の産地に絞ることで「コーヒーが持つ個性を楽しむことができる」という価値が生まれます。 コーヒーは品種や精製方法、地域の特性などが風味を変化させる要因となり、それぞれのコーヒーの個性を作り出します。 複数の種類がブレンドされたコーヒーでは感じにくい個性を、シングルオリジンコーヒーではダイレクトに感じることができるでしょう。 また生産者の顔が見えるといった点もシングルオリジンの特徴です。これはトレーサビリティに優れていることを意味しており、質の高いコーヒーに対して正当な対価が与えられ、生産者と消費者の間で良い循環が生まれるきっかけになると言えるでしょう。
THE GOOD GOODEISのシングルオリジンコーヒー
THE GOOD GOODEISでは常時10種類程度のシングルオリジンコーヒーを揃えており、デイリーユース向きのものから特別な体験ができる一杯まで、その日の気分に合わせてお選びいただけます。 生産国や品種、精製方法ごとにバランスの良いラインナップとなっており、スペシャルティコーヒーに馴染みのある方はもちろん、初めての方でも楽しめるような価格と味わいでご用意しています。
Lineup of Single Origin Coffee
現在販売中のシングルオリジンコーヒーはこちら
KNOWLEDGE:EXTRACTION METHODS
コーヒー知識:様々な抽出方法
誰でも気軽に楽しめるハンドドリップコーヒーや、濃厚で力強い味わいのエスプレッソコーヒーなど、コーヒーには様々な抽出方法があります。
同じコーヒー豆でも抽出器具を変えるだけで全く違ったコーヒーの個性を引き出すことができるのがコーヒーの魅力の一つです。
今回はコーヒーの代表的な抽出方法と、それぞれの特長についてご紹介します。。
ハンドドリップ
ハンドドリップは手動でコーヒーを淹れる方法の一つで、必要な道具があれば誰でも自宅でコーヒーを楽しめる抽出方法です。
ペーパーフィルターや金属フィルターなどにコーヒー粉を入れ、ケトルでお湯を注ぎながらコーヒーを抽出します。
お湯の温度や注ぎ方など、様々な要因によって味が大きく変化するため、安定した抽出には練習が必要ですが、それぞれの好みに合わせた風味を引き出すことができます。
THE GOOD GOODIESでは常時10種類以上のシングルオリジンコーヒーをご用意し、一杯一杯丁寧に淹れたハンドドリップコーヒーをご提供しています。
エスプレッソ
エスプレッソはイタリア発祥の抽出方法で、エスプレッソマシンと呼ばれる専用の機械を使用してコーヒーを抽出します。
抽出時間はハンドドリップと比べて非常に短いですが、細かく挽いたコーヒー粉に高圧力でお湯を通すことで、豆の風味や旨味が凝縮された濃厚で力強い味わいを生み出します。
コーヒー豆が持つ個性をダイレクトに感じられる事こそがエスプレッソの魅力なのです。
また、エスプレッソはそのまま飲むだけでなく、カフェラテやカプチーノといったドリンクにも使われており、様々なアレンジドリンクのベースとしても親しまれています。
フレンチプレス
フレンチプレスは、ティーポットのような形状をした抽出器具で、「コーヒープレス」や「カフェプレス」とも呼ばれています。
使用方法はシンプルで、ポットにコーヒー粉を入れてお湯を注ぎ、数分間浸した後、プランジャーと金属製のフィルターで濾すだけです。
この抽出方法では、コーヒー豆本来の味を楽しむことができ、コーヒー粉とお湯の量さえ調整すれば誰でも安定した抽出が可能です。
また、金属フィルターを使用することで、ペーパーフィルターを使用した抽出方法では吸収されるコーヒーオイルや微細な粒子も抽出され、豊かなボディ感が得られます。
エアロプレス
エアロプレスは注射器のような構造の抽出器具です。
コーヒー粉とお湯を器具内に入れ、撹拌した後に、押し出すように抽出します。
適度な力が必要ですが、繊細なフレーバーを引き出しながらも、ハンドドリップよりも素早くコーヒーを抽出することができます。
シンプルな構造でできているので、お手入れが簡単で自宅でも使いやすく、軽量でコンパクトなデザインは持ち運びにも便利です。
また、専用の金属フィルターと極細に挽いたコーヒー粉を使用することで、エスプレッソに近い濃厚で力強いコーヒーを抽出することもできます。
THE GOOD GOODIESでは、エアロプレスで抽出された濃厚なコーヒーを使用したスイーツもご提供しています。
コーヒーの香りと素材の味が調和した自慢のスイーツをお楽しみください。
多彩なコーヒーの抽出方法
フラスコを使用し、気圧の変化によって抽出するサイフォンや、熱を加えずに長い時間をかけて水で抽出するコールドブリューなど、紹介したもの以外にも様々な抽出方法があります。
新しい器具や技術が誕生することによって抽出方法も常に進化していますし、それぞれ違った味の特長があります。
ぜひ、自分の好みやライフスタイルに合った抽出方法を見つけてみてください。
KNOWLEDGE : CUP OF EXCELLENCE
コーヒー知識:カップオブエクセレンス
Cup Of Exellence(カップ・オブ・エクセレンス、通称COE)は、各国の最高品質のコーヒーを決める品評会プログラムです。 Alliance For Coffee Excellence(アライアンス・フォー・コーヒー・エクセレンス)というNPO法人によって運営され、 世界各国のコーヒーに関するスペシャリストが携わっています。 COEは毎年それぞれの国で行われ、厳格な審査のもと、その年に生産された各国の最高品質のコーヒーにのみ、その称号が与えられます。
COEの目的
COEは各国のコーヒーの品質向上を目的としています。
COEで高い評価を得たコーヒー豆は高値で取引され、売上金額の多くは生産者に渡ります。
品質の高いコーヒーを栽培すれば大きな利益を得ることができる可能性があるため、生産者全体の品質向上に対するモチベーションに繋がっています。
また、貧しい国のコーヒーの価値を高めることで、経済発展にも繋がります。 一方で、消費者側も品質の高いコーヒーを味わう機会が増えるため、お互いにメリットがあります。
COEの審査
COEの審査は6つのラウンドに分かれています。
参加するコーヒーはそれぞれのラウンドごとにカッピングによって点数が付けられ、一定の基準をクリアしたコーヒーのみが次のセクションに進むことができます。
採点はCOEのカッピングフォームに則り、「カップのクリーンさ」「甘さ」「酸味」「質感」「風味」「後味」「全体のバランス」「総合評価」の8つの項目を合計100点満点で採点します。
カッピングはコーヒーの品質管理に関するスペシャリストである審査員が実施し、公平性を担保するためすべてブラインドで行われます。
現在の基準では87点以上かつ30位以内のコーヒーが入賞となり、COEの称号が与えられます。
COEの取引
COEの取引はAlliance For Coffee Excellenceを介した生産者と落札者による直取引で実施されています。 入賞したコーヒーはインターネットを介して世界中で一斉にオークションが行われ、最高額を提示したバイヤーによって落札されます。 この仕組みにより落札金額の大半が生産者に渡り、落札者も生産者から直接購入ができるといった透明性の高い取引が行われ、双方にメリットがあるといえます。
COEの影響
COEが与えるポジティブな影響は生産者や生産国において顕著です。 優れた品質のコーヒーが正当な評価を受け、その対価を得ることができる仕組みは、コーヒー業界全体の品質向上に大きく貢献するのみならず、コーヒー生産者の所得向上に影響をもたらしています。
また私たち消費者にとってもより良い品質のコーヒーを飲む機会が増え、コーヒーの嗜好の幅が広がるといった、生産者・消費者双方にとって良い循環が生まれています。
Lineup of COE
現在販売中のカップオブエクセレンスのコーヒーはこちら
KNOWLEDGE:DECAF COFFEE
コーヒー知識:デカフェコーヒー
デカフェコーヒーとは、カフェインが取り除かれたコーヒーのことです。
カフェインは眠気を解消したり集中力を上げる効果がありますが、人によっては望ましくない作用となることもあります。
「カフェインは避けたいけど、コーヒーを楽しみたい。」そんな人達のためにデカフェコーヒーは開発されました。
デカフェという言葉は、カフェインを抜いたことを意味する「decaffeinated」という英単語が元になっています。
もともとカフェインが含まれているものからカフェインを取り除いたり、本来カフェインを添加するものにカフェインを添加しないことで、カフェインを極力含んでいない状態になっているものを指します。
コーヒーに関しては完全にカフェインを取り除くことは難しく、0.1〜0.3%のカフェインが含まれています。
デカフェコーヒーの魅力
デカフェコーヒーはカフェインの含有量が少ないことで様々なメリットがあります。
1.睡眠への影響が少ない
カフェインは脳を覚醒させる作用があり、睡眠を妨げる可能性があります。
一方、デカフェコーヒーは睡眠への影響が少なく、就寝前でもコーヒーを楽しむ事ができます。
2.妊娠中・授乳中でも飲みやすい
妊娠中や授乳中は、胎児や乳児に影響を与える可能性があるため、カフェインの摂取を制限するべきです。
しかし、デカフェコーヒーであればカフェインを極力取り除いているため、安心して飲むことができます。
3.消化器官にやさしい
カフェインは胃腸を刺激する効果があり、体調不良を引き起こす人がいます。
デカフェコーヒーは胃腸に優しく刺激も少ないため、消化器官に問題を抱える人でもコーヒーを飲むことができます。
風味
デカフェコーヒーは通常のコーヒーとは若干風味が異なります。
コーヒーの苦味を構成している成分の1つであるカフェインを除去しているため、苦みが少なく穏やかな味わいです。
脱カフェイン処理の過程で少量の香味成分も失われてしまうため、風味が落ちてしまうのは否めません。
しかし、近年では技術進歩により、風味があまり劣化せずに酸味や甘味、華やかさを楽しめるデカフェコーヒーも増えてきています。
脱カフェイン処理
カフェインを取り除く方法は大きく分けて3種類あります。
1.有機溶媒抽出法
化学薬品を使用してカフェインを溶かす方法です。
安価にカフェインを除去できるというメリットがありますが、安全面に問題があるため、現在日本での販売が禁止されています。
2.水抽出法
水を使用してカフェインを処理する方法です。
カフェイン以外の成分が飽和状態となった水溶液にコーヒーを浸すことで、コーヒー豆からカフェインのみを除去します。
化学薬品を使用せず安全性に優れている他、他の成分の流出を抑えられるため、風味の劣化を防ぐというメリットもあります。
3.超臨界二酸化炭素抽出法
超臨界状態(液体でも気体でもない状態)の二酸化炭素を使用してカフェインを取り除く最新技術です。
コーヒー豆が入ったタンクに気体と液体の2つの性質を兼ね備えた状態の二酸化炭素を投入し、カフェインを二酸化炭素に溶かす方法です。
安全面も優れていて、他の抽出方法と比べてカフェインのみを効果的に除去することができます。
また、使用された二酸化炭素は再利用できるため、環境への負荷も最小限に抑えられています。
Lineup of Decaf
現在販売中のデカフェコーヒーはこちら
DECAF ORIGINAL BLEND
デカフェ オリジナルブレンド
ブラウンシュガーやアーモンドのような甘みとジャスミンのような華やかさ
KNOWLEDGE:SPECIALTY COFFEE
コーヒー知識:スペシャルティコーヒー
スペシャルティコーヒーは風味に優れた高品質なコーヒーのことを指します。
コストや量産性ではなく、品質や風味を重視したもので、
・消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること
・生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。
・適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。
・適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されること。
これらをスペシャルティコーヒーの条件としています。
コーヒーが大量に消費されていた時代では、消費者に安くコーヒーを提供することが優先されていました。
その結果、コーヒーの価格低下、生産者の賃金の低下、品質の低下という悪循環が起こります。
そんな状況を脱却するために、品質向上と価格の適正化を目的としたスペシャルティコーヒーという概念が誕生しました。
スペシャルティコーヒーの評価基準
コーヒーはカップ評価が行われ、7つの項目を評価します。
合計100点満点で80点以上のものだけがスペシャルティコーヒーと呼ばれるようになります。
1.カップ・クオリティのきれいさ - 風味の汚れや欠点がなく、テロワールの特性を感じることができるか。
2.甘さ - 収穫されたコーヒーチェリーの熟度が適切か。また、熟度は均一であったか。
3.酸味の特徴評価 - 明るく爽やかな、あるいは繊細な酸味がどれほど感じられるか。
4.口に含んだ質感 - 粘り気、密度、濃さ、重さ、舌触りなど、口に含んだときの触感はどうか。
5.風味特性・風味のプロフィール - 味覚と嗅覚で産地特有の風味を感じることができるか。
6.後味の印象度 - 後味や余韻の印象はどうか。
7.バランス - 突出している、または欠けている風味はないか。
From seed to cup
スペシャルティコーヒーの重要なポイントとして「From seed to cup」というものがあります。
これはコーヒー豆の生産から消費者がコーヒーを飲むに至るまでの全ての過程を表しており、「トレーサビリティ」と「サステナビリティ」という2つの概念が重要視されています。
トレーサビリティ
生産や流通などの履歴を遡ることができることです。
コーヒー豆がどのような農園で生産され、どのような処理を経て輸送され、どのようなロースターによって焙煎されたのかという情報を追跡できるようにします。
トレーサビリティの導入によって消費者はコーヒーの品質について細かく知ることができます。
サステナビリティ
自然環境や人々の暮らしに配慮し、社会全体を持続させていくという考え方のことです。
農薬の禁止や森林保護を通じて自然環境の持続を目指したり、コーヒーの販売価格を保証することで生産者の暮らしを守るなど、様々な観点でサステナビリティに配慮した取り組みが行われています。
Related articles
関連記事はこちら
About variety
品種について
KNOWLEDGE:COFFEE CHERRY
コーヒー知識:コーヒーチェリー
私達が普段目にしているコーヒー豆は、アカネ科コフィア属に分類するコーヒーノキという植物の果実から取り出された種子です。
受粉後数ヶ月で緑色の実がなり、半年以上かけて真っ赤に熟していきます。
その果実がさくらんぼに似ていることから一般的にコーヒーチェリーと呼ばれています。
コーヒーチェリーの構造
1.外皮・果肉
コーヒーチェリーの一番外側は外皮に覆われおり、果肉や種子を守る役割を担っています。
通常は熟すと赤くなりますが、品種によっては黄色やオレンジ色に熟すものもあります。
果肉はほとんど無いため食用としてはほとんど流通することはありませんが、食べると甘酸っぱい味わいを感じます。
外皮と果肉は捨てられることが多いですが、生産者によっては農園の肥料やコーヒーの精製処理に使われます。
また、外皮と果肉を乾燥させたものをカスカラと呼び、シロップやお茶に使用されることもあります。
2.ミューシレージ
果肉とパーチメントの間にある粘液質です。
コーヒーチェリーが成長すると同時に、内側のパーチメントを覆うように発達していきます。
ミューシレージを取り除いて乾燥させたものをウォッシュド、ミューシレージを残して乾燥させたものをパルプドナチュラルもしくはハニープロセス、コーヒーチェリーのまま乾燥させるものをナチュラルと呼びます。
3.パーチメント
果肉と種子の間にある薄茶色の保護層で、内果皮とも呼ばれています。
中の種子を取り出す際に脱穀機を使って除去されます。
ウォッシュドプロセスではパーチメントを残した状態で乾燥させますが、スマトラ式と呼ばれる精製方法ではパーチメントも除去してから乾燥させます。
4.シルバースキン
種子の表面を薄く覆っている皮で、銀皮やチャフとも呼ばれています。
コーヒー豆を焙煎する時に焼失するため、ほとんど焙煎豆には残りません。
ウォッシュドプロセスの場合は焙煎豆のセンターカットにシルバースキンが残る傾向があるため、コーヒー豆を見て精製方法を予測することができます。
5.種子
コーヒーの原材料となる部分で、生豆やグリーンと呼ばれています。
通常は一つのコーヒーチェリーに対して2つの種子が向かい合うように入っており、種子の中央にはセンターカットと呼ばれる溝があります。
種子を焙煎・粉砕し、水で成分を抽出したものが私達が飲んでいるコーヒーです。
Related articles
関連記事はこちら
About variety
品種について
KNOWLEDGE:COFFEE’S FLAVOR
コーヒー知識:コーヒーのフレーバー
フレーバーとはコーヒーを飲んだ際に感じる味や香りなどの総合的な印象のことです。
私たちバリスタは「イチゴのような果実味」や「チョコレートのような甘さ」など、それぞれのコーヒーのフレーバーを分かりやすくお伝えしています。
実際にイチゴやチョコレートが添加されているわけではなく、コーヒーを口に含んだ時に舌で感じる味や口当たり、鼻から抜ける香り、飲み終えた後の余韻など、様々な要素が組み合わさることでコーヒーの個性とも言えるフレーバーが形成されています。
フレーバーの種類
フレーバーの表現は様々ですが、ここでは大まかなフレーバーの種類をいくつかご紹介します。
Fruity
果実のような風味を感じた時に使われる表現です。
イチゴやブルーベリーのようなベリー系や、レモンやオレンジのような柑橘系。
他にもリンゴやピーチ、グレープなど、フルーティなコーヒーの中にも、様々なフレーバーがあります。
Froral
鼻から抜ける香りが良く、華やかな印象を感じた時に使われる表現です。
ジャスミンやラベンダー、ローズ、エルダーフラワーなど、具体的な花でより詳しく表現することもできます。
Sweety
コーヒーが持つ甘みを感じた時に使われる表現です。
キャラメルやチョコレート、ハチミツのような甘い物の他、バニラのような甘さを連想させるものも表現として使います。
Spicy
香辛料のような風味を感じた時に使われる表現です。
シナモンやナツメグ、カルダモンの他、ペーパーミントのようなハーブ系の香りを感じることもあります。
フレーバーホイール
参照:SCAA(http://www.scaa.org/?d=scaa-flavor-wheel&page=resources)
コーヒーのフレーバーを分かりやすくチャート化した「フレーバーホイール」というものがあります。
円の内側から外側にかけて、フレーバーのイメージが抽象的なものから細分化されており、イメージをより具体的に表現できるものです。
フレーバーを形成する要素
コーヒーにはそれぞれのフレーバーの個性がありますが、それはいくつかの要因に複雑に絡み合うことで生み出されています。
焙煎度合い
主に甘みと苦みのバランスに関係します。
浅入りでは甘く明るい印象になり、深煎りになるほど甘みが少なく苦みが強くなってきます。
同じコーヒー豆でも浅煎りのコーヒーではブラウンシュガーやミルクチョコレートのような甘みだったものが、深煎りのコーヒーではカラメルやビターチョコレートのように感じます。
精製方法(プロセス)
コーヒーチェリーが生豆になるまでの発酵工程である精製方法によってフレーバーは大きく変わります。
ナチュラルプロセスのコーヒーはベリー系やブドウのようなフレーバー、ウォッシュドプロセスのコーヒーは柑橘系やピーチのようなフレーバーになりやすい傾向があります。
また、アナエロビックファーメンテーションや特殊な発酵プロセスを施したコーヒーはスパイスやハーブ、独特なフレーバーが発現し、新しいコーヒー体験が可能になります。
標高
コーヒー栽培を行っている土地の標高も重要な要因です。
標高が高いほど日柱と夜の寒暖差が激しくなり、コーヒーチェリーは固く締まった状態で成長します。
その結果、雑味のないフレーバーに仕上がったり、よりフルーティな風味のコーヒーになります。
エチオピアやタンザニアなどのアフリカに位置する生産国は非常に標高が高く、良質な酸を楽しむことができます。
品種
ワインを製造するためのブドウに多くの品種があるように、コーヒーにも様々な品種があります。
中南米で多く生産されているブルボン種はしっかりとした甘みと優しい酸味が特徴で、ストーンフルーツのような果実味とサトウキビのような甘さがあります。
ケニアで開発されたSL34種はとろみのある質感とジューシーな味わいで、グレープフルーツのフレーバーが発現しやすい傾向にあります。
近年人気の高いゲイシャ種は紅茶やジャスミンのような華やかさがあり、とても上品な味わいです。
コーヒーを選ぶ際に生産国と精製方法に注目しがちですが、品種もコーヒーのフレーバーを形成する重要な要素の一つなのです。
COUNTRY:BURUNDI
生産国:ブルンジ
ブルンジはアフリカ大陸の中部に位置する小さな国です。
悲惨な過去をキッカケに政治が安定した隣国のルワンダとは違い、ブルンジは未だに民族対立が続いています。
その結果、政治が不安定な状態が続き、現在では世界最貧国の一つになっています。
アフリカの中では経済的な遅れを取っているブルンジにとってコーヒー生産は国の重要な産業で、国民の半数がコーヒーの生産に関わっているとも言われています。
自然環境
国土は小さいですが、火山性の肥沃な土壌、適度な降水量など、コーヒーを栽培するにあたって理想的な条件が揃っています。
アフリカの内陸国で標高も高く、酸味と甘味のバランスが優れたコーヒーの生産が可能です。
土地のポテンシャル以外にも、この数年で農業技術や管理体制が改善されたことで飛躍的にコーヒーの品質が向上しています。
生産形態
生産形態は家族経営の小規模農園が多く、ウォッシングステーションがチェリーを買い取るのが一般的な流れです。
そうして持ち込まれたコーヒーの大半は伝統的なウォッシュドプロセスで処理されます。
近年では新しい風味表現に目を向け、研究を重ねつつナチュラルプロセスのコーヒーを生産する地域も少しづつ増えてきています。
低品質なコーヒーのイメージを見事に塗り替え、今まさにコーヒー業界で注目を浴びている生産国です。
味わい
主に生産されている品種はブルボンで、品種由来の甘みとアフリカならではの酸味が特徴です。
ウォッシュドプロセスであれば、ジューシーな柑橘系のような風味を楽しむことができます。
同国内でも地域特性によって味わいの傾向が異なり、北部では明かるく上品な酸味、南部では甘みとボディ感がしっかりと感じられる傾向があります。
格付け
ブルンジのコーヒーは主にスクリーンサイズによって格付けされます。
等級表記
スクリーンサイズ
AA
S17(6.8mm以上)
A
S16(6.4mm以上)
B
S15(6.0mm以上)
スクリーンサイズ以外の評価方法もありますが、明確には決まっていません。
概要
国名:ブルンジ共和国
首都:ギテガ
人口:12,890,000人
面積:27,830k㎡
言語:ルンディ語、英語、フランス語
宗教:キリスト教
年間コーヒー生産量:17,100t
Lineup of Burundi
現在販売中のブルンジのコーヒーはこちら
BUZIRA CWS / BURUNDI
ブジラ ウォッシングステーション / ブルンジ
ベリーや青リンゴのような果実味
COUNTRY:TANZANIA
生産国:タンザニア
タンザニアはアフリカ大国の東部に位置する国です。
国内には各地に野生動物の楽園とも言える大草原サバンナが点在しており、他インド洋やアフリカ最大の湖ビクトリア湖、名峰キリマンジャロなど、アフリカらしい大自然が広がっています。
人々の暮らしは周辺国と比べると安定していますが、近代化が進んでいないため貧困層が多く暮らしています。
国民の約8割が農業に関わっていると言われており、コーヒー生産も国にとっては重要な産業となっています。
自然環境
タンザニアは国土の大半が標高1500mを超える高原地帯が占めています。
中でも北西部に位置するキリマンジャロ峰はアフリカ最高峰の山で、その麓では良質な酸と甘みを含んだコーヒーを生産することができます。
また、様々な生態系が影響して土壌の栄養も豊富で、雨季と乾季もはっきりと分かれているので、高品質のコーヒーを安定して栽培する環境が整っています。
生産形態
生産形態は小規模農園が9割を占め、ウォッシュドプロセスが主流です。
規格外の低クオリティなコーヒーをナチュラルプロセスで処理するのがタンザニアでは一般的なため、輸出されるコーヒーの殆どはウォッシュドプロセスになってしまうという背景があります。
しかし近年では、タンザニアは雨季と乾季がはっきりと分かれた気候で、チェリーを適切に管理しやすいため、高品質なナチュラルプロセスのコーヒーを生産する農家も増えてきています。
味わい
主に生産されている品種はブルボンやケントで、柑橘系の酸味やタンザニア特有の野性味のある味わいが感じることができます。
ケントはタンザニアではメジャーな品種で、近年スペシャルティコーヒー業界においても見る機会が増えています。
派手さはありませんが、明るくフルーティな酸味が特徴で、病気に強く育てやすいメリットもあります。
様々な品種の取り入れには積極的で、パカマラやゲイシャなどの人気の高い品種を育てている地域もあり、世界的に注目を浴びています。
格付け
タンザニアのコーヒーは主にスクリーンサイズ(豆の粒の大きさ)によって格付けされます。
等級表記
スクリーンサイズ
AA
6.75mm以上
A
6.25mm以上6.75mm未満
B
6.15mm以上6.25mm未満
C
5.90mm以上6.15mm未満
E
エレファント
著しく大きいもの
概要
国名:タンザニア連合共和国
首都:ドドマ
人口:65,500,000人
面積:945,100k㎡
言語:スワヒリ語、英語
宗教:キリスト教、イスラム教
年間コーヒー生産量:73,027t
Lineup of Tanzania
現在販売中のタンザニアのコーヒーはこちら
TEMBO TEMBO / TANZANIA
テンボテンボ / タンザニア
柑橘や洋梨、ピーチのような果実感
COUNTRY:UGANDA
生産国:ウガンダ
ウガンダは東アフリカの赤道上に位置する国です。
雪に覆われた山地や巨大な湖、数多くの野生動物など、自然界の楽園で「アフリカの真珠」とも呼ばれています。
世界で最も貧しい国の一つであるこの国は、難民の流入増加による治安の悪化や度重なる自然災害、不十分な衛生設備、失業率の悪化など、数え切れないほどの問題を抱えています。
多くの国民は農業を営んでいますが、収入が少なく、日々の生活に苦労している人々は少なくありません。
自然環境
ウガンダは赤道直下の国でありながらも、標高1200m以上の高原地帯が広がっています。
昼夜の寒暖差はありつつも、年間を通じて快適な気温でコーヒーを栽培することが可能です。
日射量と雨量も十分にあり、土質も栄養を多く含んだ火山灰性の土壌のため、コーヒー栽培に適した土地となっています。
生産形態
小規模農園が大半を占めており、地域のウォッシングステーションに持ち寄るのが一般的な流通の流れです。
国内情勢の不安定さやインフラ不備が原因で低クオリティなコーヒーの産地として知られていましたが、近年では最新のウォッシングステーションが設営されたり、地の利を活かした栽培方法を指導する農家が増えた影響で品質の高いコーヒーが少しづつ増えてきています。
高いポテンシャルを秘めた、現在注目を浴びている生産国です。
味わい
ウガンダはロブスタ種発祥の地と言われており、コーヒー生産量の9割以上を占めるほどロブスタの栽培が盛んです。
他の主要なロブスタ生産国と比べて標高が高いため、適度な酸味や甘みがあり、エスプレッソ用の豆としての人気があります。
アラビカ種では主にブルボンが生産されており、品種由来の甘みだけでなく穏やかな酸質やしっかりとしたボディ感が特徴です。
格付け
ウガンダのコーヒーはスクリーンサイズ(大きさ)と欠点豆の割合によって格付けされています。
等級表記
大きさと欠点数
Bugisu AA
産地がブギスエリア
スクリーンサイズ19以上が90%以上
欠点豆数10%以下
Bugisu A
産地がブギスエリア
スクリーンサイズ16以上が90%以上
欠点豆数10%以下
AA
スクリーンサイズ17~18
A
スクリーンサイズ15~16
概要
国名:ウガンダ共和国
首都:カンパラ
人口:42,750,000人
面積:241,000k㎡
言語:スワヒリ語、英語
宗教:キリスト教、イスラム教
年間コーヒー生産量:374,760t
Lineup of Uganda
現在販売中のウガンダのコーヒーはこちら
RWENZORI CWS / UGANDA
ルウェンゾリ コーヒーウォッシングステーション / ウガンダ
ブドウのような果実感とラベンダーのような華やかさ