PROCESS:WASHED

精製方法:ウォッシュド

クリーンで爽やかな味わいが特徴のウォッシュド。
品質が安定しやすく、スペシャルティコーヒーにおいて最もポピュラーな精製方法で、コロンビア、中米諸国、東アフリカなどの国で多く生産されています。
収穫されたのち、以下のようなプロセスを経て、私たちのもとに届きます。

1.収穫・皮むき
完熟豆のみを収穫し、「パルパー」と呼ばれる果肉を取り除く機械にコーヒーチェリーを入れ、果肉を取り除き種だけの状態にします。
収穫から時間が経過するにつれ果肉が発酵していくことから、収穫同日に果肉を除去することが望ましいとされています。

パルパー

2. 粘液質(ミューシレージ)除去
果肉を取り除いた種には「ミューシレージ」という、糖分を含んだぬめりのある膜が付いています。
ミューシレージは種に強く付着しており、簡単に除去することはできませんが、機械による除去または、発酵槽に漬けてミューシレージを弛緩させ除去します。
なお発酵槽に漬けてミューシレージを除去する方法を「Fully Washed(フリーウォッシュド)」と呼び、意図的に機械による除去方法と区別する場合もあります。
発酵槽ではミューシレージが酵素と微生物により分解され、そこで生じる酸や糖質が風味に影響を与えていると言われています。

ミューシレージ除去

3. 水洗
発酵が完了したら、水でミューシレージを洗い流します。ここでしっかりと洗い切ることで、雑味のないクリアな風味に仕上がります。
水洗に時間をかけすぎると発酵臭が豆に付着する場合があるため注意が必要です。

水洗

4. 乾燥
水洗した豆を乾燥場に移し、天日干しによる乾燥もしくは機械にかけて乾燥させます。
天日干しではコンクリートやレンガ、網の棚の上に広げて1週間程度で水分値12%程度まで乾燥させるのが一般的です。
過度な乾燥は欠点豆や割れ豆の増加につながり、反対に乾燥が不十分な場合はカビの発生や品質の劣化が進むことから、乾燥のコントロールは非常に重要な工程のひとつと言えます。

washed

5. 脱穀
豆には「パーチメント」と呼ばれる殻が付いているため、機械にかけて脱穀し生豆の状態にします。
脱穀が完了した段階で収穫したコーヒーチェリーから20%程度の重量となり、10kgのコーヒーチェリーから2kg程度の生豆がつくられることになります。

脱穀

ウォッシュドは歴史的にみると、山の斜面での栽培など乾燥スペースが少ない地域で、水源のある場合に行われてきた精製方法です。
近年では設備の拡充などにより、これまでナチュラルプロセスが主流だった国でもウォッシュドによる精製が行われるなど、選択肢の広がりが見られます。
それに伴い排水に含まれる微生物による環境汚染など課題もありますが、一部の国では排水の浄化池がつくられるなど、様々な対策が取られています。

 

Lineup of Washed
現在販売中のウォッシュドプロセスのコーヒーはこちら

TEMBO TEMBO / TANZANIA
テンボテンボ / タンザニア
柑橘や洋梨、ピーチのような果実感

EL SUYATAL / NICARAGUA 
エル スヤタル / ニカラグア
毎日飲んでも飲み飽きないクリーンなコーヒー

MALACARA / EL SALVADOR
マラカラ / エルサルバドル
ストーンフルーツやオレンジのような甘み

ROSAS PATA / PERU
ロサス パタ / ペルー
甘みとコク、温度変化による様々な果実感

EL POTRERO / COLOMBIA 
エル ポトレロ / コロンビア
上質なトロピカルフルーツの華やかさとこっくりとした甘み

FINCA CONSOLAPAN / MEXICO
フィンカ コンソラパン / メキシコ
温度変化によって柑橘やベリーのような味わいの変化を感じる

 

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